新卒で入社後、吉祥寺LuTa by siesta&LiCOでの勤務を経て池袋LOVELEYのオープンに携わる。
デビュー1年目から全社指名売り上げランキング上位に名前を連ねる、期待の若手スタイリスト。
バスケ一筋から美容の世界へ
いわゆる企業に勤めるサラリーマンになる気はなかった。
全国大会を目指してバスケットボールに全力を注いだ彼は、高校卒業とともに美容の世界へ進む決意をする。
「髪のセットは好きだったし、当時担当してもらっていた美容師さんが自由で楽しそうに働いていて、良い仕事だなと思いました。ただ、憧れとか入りたいサロンがあったわけではないので、就活はあまりうまくいかなかったんですよね。」
新卒での就職を見送り、1年フリーターとして過ごそうかと考えていた矢先、友人の勧めで吉祥寺にあるH for siesta (現LuTa by siesta&LiCO)を知る。
「最初に面接をしてくれた店長がすごく良い方で、スタッフの方々にも僕を紹介してくれて。雰囲気も良さそうだし、もしだめなら他を中途で受ければ良いかなくらいの気持ちで入社を決めました。」
その後、H.companyのデビューまでの最短記録を更新し1年3ヶ月でスタイリストデビューすることになる彼。
「やるからには1番になりたい」というエネルギーをフル稼働させ、技術の習得に励んだ。
常にノートを持ち歩き、朝はその日の目標を、営業中は先輩から指摘されたことを書き、営業後に自分なりの振り返りをする。
その日指摘されたことは、その日中に直す。
練習は時間を長くするのではなく、質の高さを求め集中して取り組んだ。
順調に進んでいるように思えたアシスタント時代の終盤、仕事への向き合い方を変えるきっかけが訪れる。
自分の仕事観を変えてくれた出会い
技術習得の進み具合にはそれなりに自信があった。
しかしそれよりも指摘されたのは、お客様への接し方・言葉遣い・服装といった立ち振る舞い。
「男性は背が高くて声が低いというだけでも威圧感が出てしまうし、電話に出る声のトーンひとつとっても気を使うように、細かく教え込まれていました。女性がどういうことを気にするのか、わからないことだらけだったんです。」
そんな時に行われたのが、H.company独自の取り組みである“アシスタントのシャッフル制度”。各店のアシスタントが一定期間、自店以外で勤務をするこの制度で、彼は本店H[eitf]に勤務することになった。
そこにいたのは、全社指名売り上げランキングのトップを走る美容師たち。
「僕の店の代表も先輩も尊敬する存在ですけど、H.companyのトップの人たちの仕事を近くで見られたのは、すごく大きかったと思います。」
目の前で見る彼らのサロンワークは、衝撃だった。
自店よりも客数が多い中での、トップスタイリストたちのお客様との過ごし方やキメ細やかな心遣い。
技術だけではない、支持される理由・売り上げがある理由が目に見えるようだった。
「一つのサロンにいるとそれが全てになってしまうけど、もっと上がある。満足していたわけではないけど、少しおごっていた自分もいたので、まだまだだなと目が覚めました。」
それと同時に、トップスタイリストにかけてもらった「SHOMAいいね」という一言。
まさか褒められるとは思っていなかったというこの一言に、「まだできる」そんな自信も芽生えた。
「普通のこと」が売り上げを伸ばす
スタイリストになって、3年目。
彼は今、全社ランキング上位に入るスタイリストとなった。
「特別なことはしていないです。お客様とコミュニケーションを取って『2ヶ月経ったからサロンにおいで』とアナウンスをしたり、僕にとっては普通のことですが、意外とやっていない人が多い。」
美容師としての技術を持ち、お客様をかわいく・かっこよくするのは当たり前のこと。
自分と過ごす時間を“どう過ごしてもらうか”を重要視している。
「サロンは緊張するという方も多いと思うので、良い意味で友達じゃないですけど、知り合いのお兄さんに髪を切ってもらう感覚で来てほしいです。」
美容師とお客様の間にある壁を壊したい。
髪を切りに来ることはきっかけで、一緒に過ごす時間を充実させることで信頼関係を築きたい。
それができれば、スタイル作りにおいても本当の要望を聞き出しやすく、叶えやすくなるのだという。
彼がサロンに立つ上で心掛けるのは、誰より一番楽しく仕事をすること。
「人だからやる気の浮き沈みがあるのは当たり前ですけど、正直美容師にはあってはいけないと思うんです。お客様は2ヶ月に1回来るとして、その1回が楽しいのにそこに僕らのテンションの浮き沈みがあると、影響が出ますよね。そのモチベーションを保つようにはしていて、後輩たちにも伝えていることです。」
全社指名ランキング1位へ
バスケットボールをやっていた頃、チームの横断幕に掲げられていた「継続は力なり」という言葉。
思えばこれまで、何事も途中で投げ出したことはなかったと振り返る。
「夢は叶うものだと思います。無理だったという人は続かなかったとか、途中で諦めていると思うので。それって自分で終止符を打つか打たないかじゃないですか。自分で幕を引かなければ、遠回りかもしれないですけど、いつか叶います。」
そんな彼が美容師を目指す方に、伝えたい想いとは。
「とりあえずなんでもやってみる、言ってみることが大事だと思う。行動すればそれだけ人より一歩先に行けると思います。」
早くデビューがしたい。
それを伝えたから、後押しをしてもらえた。
悩みを聞いてほしいと連絡をした。
所属店舗など関係なく、自分のために先輩が時間を作ってくれた。
行動する手前で諦めてしまうことは、もったいない。
たまたま入ったH.company。
しかしその社風は、彼に合っていたのかもしれない。
今年の目標は、全社指名売り上げランキングで1位をとること。
「H[eitf]の阿部さんに、勝ちたいです。」
憧れたから、超える。
自分の仕事観を変えてくれた、その背中を追い越す日を目指し挑戦し続ける。
1994年生まれ / 美容師歴4年 / 神奈川県出身 / 日本美容専門学校卒
instagram : @shoma_loveley