法政大学を卒業後、新卒でH.companyに入社。
H[eitf]のレセプションを経てH.companyのプレス業務にも従事する。
結婚を機に名古屋に拠点を移し一児の母となった現在も、MANON by HとH[eitf]に所属。
持ち前の明るさでお客様とスタイリストの架け橋となるムードメーカー。
編集者志望から美容の世界へ
大学では社会学を専攻。
編集者を目指していた彼女は、その傍らでサロンモデルとしての活動を始める。
交友関係が学外に広がりはじめた頃、モデル仲間からの紹介でH.companyと出会った。
当時オープンしたてであったH[eitf]の代表、小玉重太。
彼の人柄に惹かれ、幾たびと訪れるうちにここで働きたいと強く思うようになった。
そして大切な出会いがもう1つ。
レセプションの存在だった。
「彼女がサロンの雰囲気を作っている、そんな印象でした。」
他のサロンで接してきた“受付け”のイメージとは少し違う。
緊張をほぐし、初めて来たことを忘れてしまうほど優しく包んでくれる人。
お客様を誰よりも知り尽くし、サロンで過ごす時間すべてに気を配るきめ細やかさは衝撃だった。
「すごい人だなって。レセプションという仕事のイメージが180度変わって、こういう“人を好きな人が就く仕事”なのだと思いました。」
この人のようになりたい。
大学3年生。
その熱意が実りH.companyへの入社が決まった彼女は、小玉のすすめでメイクの勉強をするためダブルスクールをすることに決めた。
「H[eitf]に貢献できるものがあるならなんでもしたいという気持ちが強かったと思います。『10年後を見据えて何か資格を取ってみたら?』と小玉さんに提案していただいて、貯めていたバイト代をつぎ込んで、すぐに申し込みをしました。」
美容師としてのスキルは持っていない。
その代わりに、たくさんの仕事を任せてくれた。
11年目を迎えるいま、彼女はレセプション業務に加え、撮影時のメイク・プレス活動・経理や総務といった事務まで仕事の内容は多岐にわたっている。
レセプションにできることは価値を生み出すこと
美容師の仕事は、“技術”と“接客”の2種類ある。
売上を作るのが“技術”であるならば、それに価値を与えるのが “接客”。
自分にできることはその付加価値をより大きく、そしてその質を高めていくこと。
『スタイリストのお客様はみんなのお客様』
H[eitf]が大切にするこの思想は、担当のお客様を持たない彼女にとっては特に大切なもの。
「“目の前にいるお客様のために今自分がなにをできるのか”と考えて動くこと。それを“全員に平等に行う”ことが大切なんだと思うんです。」
どうしたら自分の存在価値が生まれるのか。
とにかく必死だった。
失敗も、たくさんあった。
「声が小さいって勤務初日に怒られました。まだ何もできない中で自分の存在をお客様に知ってもらうためには、誰よりも大きな声を出すくらいしかできないだろうって。サロンで働くということを意識し過ぎて、カッコつけてしまっていたと目が覚めました。」
お客様には一番最初に大きな声で挨拶をする、いらっしゃる姿が見えたら自分からドアを開けに行く。
“仕事”を教えてもらう以前に、自分で考えてできることはたくさんあった。
「その日の最後のお客様のお会計の時に、お渡しするものを忘れないように急いで渡してしまったことがあったんです。それだと、早く帰れと言われていると、お客様に感じさせてしまうと怒られたこともあります。一生懸命やっているから悪いことではないのでしょうけど、相手の立場に立ったら気持ちの良いものではないですよね。」
目指す姿があるだけに、早く追いつこうと一生懸命になっていた。
スマートに仕事をこなすことよりも一つひとつの仕事を丁寧にすること。
その積み重ねが、付加価値を大きくする。
『お客様のことが第一』主義
「誰のためにしている仕事なの?って。普通のことなのに見落としがちですよね。忙しくなると言われたことをこなすのでいっぱいいっぱいになってしまう子が多いけれど、スタイリストのために仕事をしているわけじゃないでしょうって思うんです。」
彼女が後輩に伝えたいのは、お客様を想う力を持って欲しいということ。
“どうすればあの方に喜んでいただけるだろうか。
この方は、今何を求めているのかな?”
考えて行動する事の繰り返しで、お客様と絆を作っていけることが楽しいのだ。
レセプションには売上が無い。
それでもH[eitf]では100万円の価値があると言われている。
目標とするレベルは高くても、超えていかなければならなかった。
接客とは、人と接すること。
お客様やスタッフだけでなく、その家族も業者の方も生活の中で出会うすべての人との関わりを大切にしたい。
“人好き”が行き着いた先は、関わる人すべてに敬意を持ち接することに他ならない。
『またこの人に会いたい』そう思ってもらえるように、お客様を前にして気は抜けない。
結婚出産を経て現場復帰、これから目指していくもの
2013年に結婚し、夫の転勤に伴い名古屋に拠点を移した。
中区栄にあるMANON by Hでの勤務とともに、月に1度東京へ来るタイミングでH[eitf]の受付けにも立つ。
そして2017年に男の子を出産した。
「子供が生まれてやることは増えましたけど、自分の中では仕事があるから子育ても頑張れるというか、それでバランスを取っているような気がします。どちらかというと忙しくしていたいタイプなので。」
出産後、家でできる業務からはじまり、できるだけ早く復帰した。
「接客に入れる機会は減りましたけど『さとこさんがいるなら今日行こうかな』と思ってもらえたり、スタッフが安心して働けたら嬉しいですよね。」
これから先彼女が目指していきたいものは、2つある。
1つ目はH.companyに所属するスタッフ全員の接客レベルをあげていくこと。
レセプションを入れられないサロンは多い。
これまでの自分の知識を活かし、接客レベルが高いスタッフを多く育てていきたい。
2つ目は女性としてかっこよく生きていくこと。
困っている人を助けられる子に育って欲しい。
子供の名前には、そんな意味を込めた。
彼に見せる姿は“かっこいいお母さん”でありたい。
「現状に満足してはだめだと思っています。」
自分が存在する意味を、価値を自分の手で作り上げてきた人。
付加価値を生む一人ひとりへの心遣いは、これからも尽きることがない。
1985年生まれ / 勤務年数11年 / 神奈川県出身 / 法政大学卒
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