渋谷siena、原宿ROJITHAの2店舗に所属。
店長とスタイリスト、2つの役職を担う。
前サロンでの9年のキャリアを経て、2015年9月H.company入社。
入社半年でROJITHAの副店長、2016年10月オープンの渋谷の新店舗sienaでは店長に抜擢される。
前のサロンでは、ほぼ全ての施術をマンツーマンで行っていた。
美容師として次のステージを目指すのであれば、これまでとは真逆の営業スタイルのサロンに行きたい。
キャリアがある美容師を探していた現在のオーナーに声をかけられたことがきっかけで、H.companyへの転職を決めた。
美容師とは、“おしゃれが好きなミーハーな人達”だという。
自身も学生時代はバイト代を全て注ぎ込むほど、ファッションに没頭した。
この仕事を選んだからには、お客様から憧れられる存在になりたい。
どれだけの経験を積んだとしても、移り変わる時代の流れを読みとる“ミーハー感覚”を持っていることは大切。
その為の情報収集を欠かさない彼だが、学生時代にしか得られないもっと大切なものがあるという。
自分のバックグラウンドを持って欲しい。
良い美容師を目指すのであれば、「とにかく遊べ」。
その言葉を幾度となく口にした。
学生時代に何をすればいいですか?と聞く美容学生は多いが、ほぼ100%の美容師がこう答える、とも付け加えて。
彼がサロンワークで大切にしているのは“自分がどういう人間なのかをお客様にオープンにすること”。
「聞き上手もいいけど、その会話に自分の意見や話を乗せていかないと、会話は弾まない。ちゃんと会話をしてほしいと思うんです。」
技術は教えられても、自身のバックグラウンドとなる経験や知識は自分で得るしかない。
お金を貯めて海外旅行に行くのも良い。
美容に関係ないことでも構わない。
美容師になりたい想いと感性を持ちつつ、自分の為だけに時間を使える学生時代。
この2年間にどれだけの経験をしたかで、その後の美容師としての経験値に大きな差がつくのだという。
良い美容師を育てるために、大切にしていること。
「お店のスタッフとのコミュニケーションは多いですよ。」この取材の数日前にはsienaで初めて店休日を設け、仕事から離れた時間を共に過ごした。
「下の子は、どうしても上の人間に対して緊張するじゃないですか。こっちがある程度砕けて歩み寄ってあげないと、なかなか素を出せない。」後輩が仕事をしやすいよう、言いたいことを言える距離感の近さは必要だ。
その一方で、育てる上で“妥協はしない” ・ “逃げ道は作らせない”というストイックさも持ち合わせる。
物事を伝える時には、相手の目線で分かりやすく、わかるまで話す。
「逃げ道を作らせないというのは、自分に対してもですけど。必ず来る壁とちゃんと向き合わないと、逃げても何もうまくいかないんですよね。やり続けて、叩かれ続けても自分で気付くしかない。だからこそ、本人が気付けるように、鬱陶しがられてもしっかり見ていたいんです。」
いつか乗り越えた時に、よかったなと思ってもらえればいい。
そう続けた。
これから本格化する採用試験。
多くの美容学生がサロン見学に来る中で、彼が必ず伝えるのは“自己分析をした方がいい”ということ。
美容師になりたいという想いは強いものの、どんな店で働きたいのか・どんな美容師になりたいかまで考えている美容学生は少ないという。
「せっかく見学に来ているのに、自分の準備がなかったら働きたいかどうかの物差しがない。
もったいないですよね。」働きたいという想いを面接でしっかりと伝える為にも、現状考えられる範囲でいいから、しっかり自分と向き合える人は強いのだという。
自身が目指すのは、“自分を求めてくれる”お客様に応えられる美容師。
今や多くの顧客を持つ彼にこれまでで一番印象に残っていることを聞いてみると、意外にも“アシスタント時代にシャンプー指名をもらったとき”という答えが返ってきた。
スタイリストと違い、自分の技術に対しての成果がわかりにくいアシスタント時代。
自分を求めてくれる人が居るということが何より嬉しく、やりがいを感じた。
その時の感情は、未だに忘れられない。
常に上を目指す姿勢を崩さない。
誰に対してもフラットに接する人、そんな印象を持った。
そんな彼に今後の夢を聞いてみた。
「以前とまったく違ったサロンに移っても自分についてきてくれるお客様がいる。いつかは、マンツーマンの個人サロンをやりたいです。でも、後輩をみる今みたいなお店も欲しい。」
欲張りですよね(笑)。
と話す彼は、まだまだ経験値を積んでいる途中だと語ってくれた。
1984年生まれ / 美容師歴13年 / 神奈川県出身 / 日本美容専門学校卒