前サロンでの3年のアシスタント期間を経てH.companyに入社、スタイリストデビューする。
技術に対する探究心が強く、特にカラーを得意とする。
「個性を尊重してくれるサロン」は、意外と、ない。
多くのサロンにはブランドイメージがあり、そこに勤める美容師は「そのサロンっぽさ」を求められることが多い。
原宿の前サロンで3年のアシスタント期間を過ごした彼女は、そこに違和感を感じていた。
美容師としてこうでなければいけないという縛り。
その後H.companyに転職した彼女は、個性を尊重してくれる、自由にのびのびと働けるサロンとは、こういう場所だと知った。
中途入社した経緯には、前サロンでお世話になった2人の先輩の存在があった。
すでにH for siestaに転職していた2人に声をかけてもらったのが6年前。
原宿から吉祥寺へ。
気さくで、のんびりした方が多いというこの街で、お客様一人一人に合わせた接客を心掛けながら、日々のサロンワークに勤しむ。
「毎月来てくれるお客様でも、今月は少し疲れてるな、とか、なんとなくわかるんです。こういう人と決めつけないで、その時のテンションや気分に自分も合わせながら、接しています。」
休日を一緒に過ごすことも多いほど、スタッフ間の仲が良い。
サロンでは育てる立場でもある彼女は、後輩の育て方をどうしているのか。
「レッスン中は、厳しくしますよ。仕事として、美容師としてちゃんと出来なきゃいけないので。でも技術に関して、怒ることはないですね。怒ったところですぐ出来るようになるわけじゃない。出来ないことはしっかりレッスンして、出来るようにすればいいだけですから。ただ、接客に関しては怒ります。すぐに改善できることだから。」
仲は良くても、美容師として一人前になってもらうためのメリハリはしっかりつける。
自分もそうしてもらってきたから、と話してくれた。
もの作りに没頭する時間が好きだった。
小学2年生の時には、美容師になろうと決めていた。
もともと友達にヘアメイクをしてあげることが好きで、イベントごとがあれば率先してやっていたという。
夏祭りで浴衣を着るとなれば、着付けも習得。
「親に教わったり、本を読んだり。なんとか勉強して出来るようにしていましたね。」
ファッションも好きな彼女は、リメイクにも夢中になった。
切って縫って、洋服を生まれ変わらせたり、デニムを裂いて、自分の好きなものを作りあげていく。
「色々研究して、成果が出るのが楽しいんですよね。集中して、黙々と打ち込む時間が好きなんです。」
もちろん美容師としての仕事にもその性格は生かされている。
自身が一番得意とし、好きだと語るカラーの施術。
「すごく奥が深いんですよ。何千種類という配合があって、やり方によってパターンがたくさんある。これ混ぜたらこうなるんだなとか、10年やってもまだ新しい発見があるんです。一番好きですね。」
最近の休日は何をしたのかと聞けば、後輩と一緒に家具のDIYやドライフラワー作りを楽んだという。
とことん、物作りが好きなタイプなのだ。
いっぱいの予約表を見た、あの瞬間。
美容師の仕事の楽しさは、多くの人との関わりにあると話す。
髪の毛を切りに沢山の人が会いにきてくれる。
会話をしながら、刺激をもらえる。
朝出勤して、予約表がいっぱいになっているのを見る度に、美容師になってよかったと感じる。
「原宿のアシスタント時代からずっと担当させてもらっているお客様もいるんです。場所だって遠いし、スタイリストになったら値段も全然違うのに。ありがたいですよね。」
お任せします、と言われることが、信頼されたようで何より嬉しいという。
「ハッピーでいたいんです。1日は1日で割り切って、ポジティブに過ごせるように。」
そう語る彼女は、“楽しいのに不思議と落ち着く人”、そんな印象だった。
その場がパッと明るくなるようなオーラと、話す相手に合わせた接し方。
その魅力が、多くのお客様に選ばれる理由なのだろう。
そんな彼女が、これから求める人材とは?
「ハッピー感の一言に尽きる。技術は一緒に磨き上げていけるから、お店を盛り上げてくれるハッピーオーラのある方を待っています。」
1986年生まれ / 美容師歴10年 / 東京都出身 / 山野美容専門学校卒